腹水の鑑別(特に肝疾患に関連して)

  • 腹水は従来、漏出性と滲出性に分類されていたが、この分類には限界がある。
  • 血清-腹水アルブミン格差(SAAG: serum-ascites albumin gradient)による分類が優れている。
  • SSAG(血清アルブミン値-腹水アルブミン値)が1.1 g/dl以下なら、腹水は門脈圧亢進によるものではない。
  • SSAGが1.1 g/dl以上なら、腹水は門脈圧亢進によるものである。
  • 多核白血球数が250/mm2の場合は特発性細菌性腹膜炎を疑い、経験的に抗生物質投与を開始すべき。
  • ベッドサイドで直接腹水を血液培養ボトルに入れることにより、培養が陽性になる確率が劇的に高くなる。
  • 腹水蛋白濃度が高い時には肝静脈閉塞症(Budd-Chiari症候群)を考えなければならない。

現在の勤務先では、腹水検査のルーチンにアルブミンは入っていない。細胞数も入っていない。