2008-01-01から1年間の記事一覧

重症薬疹(SJS, TEN, DIHS)についてまとめ

重症薬疹についてまとめ。思い切り混同していたが、それぞれ異なる。重症薬疹は3つ。スティーブンス・ジョンソン症候群(Stevens Johnson Syndrome;SJS)、中毒性表皮壊死症(Toxic Epidermal Necrolysis;TEN)、薬剤性過敏性症候群(Drug-induced hypersensitivi…

胆管細胞診の正診率は?

下部胆管狭窄の患者さんのERCPにて、胆汁および胆管擦過細胞診にてClass Vが出た。臨床経過その他より、原発性胆汁性胆管炎もしくはIgG4関連硬化性胆管炎だと思っていたのでびっくり。今後は外科コンサルトになるが、胆管細胞診がどれくらい当てになるのか調…

B型劇症肝炎の血清マーカー

B型劇症肝炎でHBs抗原陰性例があることは知っていたが、頻度や、HBe抗原/抗体ではどうなのか、ということは知らなかった。やや古いが、Gimson et.al. Serological markers in fulminant hepatitis B, Gut, 24(1983), 615-617では、劇症B型肝炎17例と、脳症を…

日本内科学会雑誌の3月号の過去問

日本内科学会雑誌の3月号に前年度の認定医試験の過去問の抜粋が載る。過去3年分ぐらいは必ずやること。私は5年分やった。5年前のものは、やや内容が古い印象がある。「オレンジ本」などと比較すると難度は易しめ。逆に言えば、3月号の過去問に手こずるような…

擦過傷の処置

「新しい創傷治癒」という考え方がある。もはや、傷を消毒してガーゼ保護というのは時代遅れ。しかし、じゃあ具体的にどういう処置をすればよいのか? ・出血がある場合はアルギン酸塩被膜材(カルスタット、ソーブザン)を貼り、乾燥させないようフィルムで…

試験勉強は早めにはじめる

何を当たり前のことをと思われるだろうが、私はこれで失敗した。病歴要約の締め切りが大体2月。それから試験まで約5ヵ月。病歴要約を仕上げてから試験勉強を行っても十分間に合うだろうと考え、実際に間に合ったのだが、結果的には効率的ではなかった。過去…

無症候性胆石の自然経過

症状のない胆石は経過観察でよいとされている。しかし、将来どのくらいの確率で症状を生じるかは知っておくべきである。どうせ正確な数字は誰も知らないのだから、大体でよろしい。Portincasa P et.al. 2006*1によれば、2年以内に症状を生じる率が約12-30%…

病歴要約の書き方

日本内科学会雑誌に「病歴要約作成の手引き」があるので、必ず全部目を通すこと。斜め読みではいけない。手引きに従った書類を作成する能力は、医学的な能力と同じく、医師にとって重要である。たとえば、「薬剤名は原則として一般名で記載する」とある。こ…