2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

腹水の鑑別(特に肝疾患に関連して)

腹水は従来、漏出性と滲出性に分類されていたが、この分類には限界がある。 血清-腹水アルブミン格差(SAAG: serum-ascites albumin gradient)による分類が優れている。 SSAG(血清アルブミン値-腹水アルブミン値)が1.1 g/dl以下なら、腹水は門脈圧亢進に…

原発性硬化性胆管炎(PSC:primary sclerosing cholangitis)

PSCの75%に潰瘍性大腸炎の合併がある。 潰瘍性大腸炎の5%にPSCの合併がある。 潰瘍性大腸炎の重症度は、PSCの発症や進行と無関係である。 好中球細胞質抗体(ANCA)はPSCの70%に陽性である。しかし、特異性はない。 PSCの10%に胆管癌の合併がある。 “シ…

吃逆(しゃっくり)の治療法

プリンペラン 1A 静注または筋注。 芍薬甘草湯 7.5g 3×。 セレネース 1A 筋注。 リボトリール 2mg-6mg/日。血中濃度をみながら。 キシロカインスプレーを咽頭に2,3回噴霧。 砂糖小さじ一杯を喉の奥に。 口伝 「柿のヘタを煎じて飲む」というのはよく聞…

多発性嚢胞腎

50〜70%に肝嚢胞を合併。 60歳までに50%が末期腎不全に至る。 頭蓋内動脈瘤は無症候性患者の5〜10%にみられる。くも膜下出血の家族歴があればMRAを行う。 ハリソン内科学 多発性肝嚢胞に関連して。これまで、くも膜下出血の家族歴など聞いていなかった。

多発性肝嚢胞

常染色体優性遺伝。 半数が多発性嚢胞腎を合併する。 採血上は肝機能異常はない。 腹水、閉塞性黄疸、肝静脈閉塞は稀。 生命予後はよい。予後は嚢胞腎の程度による。 症状は慢性の圧排症状。もしくは急性の破裂か嚢胞内部への出血。 “シャーロック”肝臓病学 …

小児C型肝炎

小児慢性C型肝炎は肝線維化の程度が軽く、慢性B型肝炎と異なり、小児期に肝硬変、肝癌には進行しない。 HCV RNA陽性妊婦から生まれた児への母子感染率は数%〜十数%である。 母乳哺育児と人口栄養児との間でHCV母子感染立には差がない。母乳からは感染しな…